結婚式 事件簿ファイル あなたの結婚式は大丈夫でしょうか?

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皆さんこんにちは

元結婚式チーフディレクターの

ししまいmkです

今回は以前勤務していたホテル時代に

実際に経験した

「結婚式」にまつわるエピソード

お気お付け下さい

崩壊の穴はいつも

あなたのすぐ隣に

開いているのです

あれは桜が満開を迎えた春真っ盛りの頃

結婚式のハイシーズン いい季節

16:00開演の披露宴

新郎・新婦とも26歳

まだ若いお二人は幸せ一杯だ

そして

新婦妊婦

お腹の子は9カ月ぐらいだろうか

いわゆる

「できちゃった婚」

いや今の言い方だと

「授かった婚」かな

お時間となり

司会者
司会者

新郎新婦の入場です!

ここまではいい

「え~ わたくし新郎〇〇君の上司」

「仕事中での○○君はとても・・」

新郎上司による来賓スピーチ

ここまでもいい

かんぱ~い

とてもスムーズ

だが乾杯が終わり食事歓談が始まってから

何か雲行きが怪しくなってきたのである

メインテーブルの新郎のもとに

ビール瓶を持った友人が殺到

「おめでとー さっ飲んで飲んで」

「ホントめでたい! 飲んで」

「俺も俺も ほら 飲んで飲んで」

押し合いへしあい

次から次へ注がれる祝福の酒

幸せ満開の新郎も

テンションが上がっているせいで

断る事無く

受ける 空ける 受ける 空ける

~ なんかヤバい ~

その頃の新婦

「も~飲み過ぎないでよー」

「らいじょ~ぶ」

だが悪い要素は重なるもので

通常 披露宴は乾杯後10分から15分程で

友人等のスピーチが始まり

ゲストは席に戻らなければいけない

しかし

この披露宴では前半のスピーチが無く

ずっと食事歓談なのだ

すなわち!

新郎新婦退場までの30分間程は

自由時間

で ありますから

お祝いお酌は止まらない止められない

15分経過

新郎 顔 赤い

「チョット飲み過ぎじゃない」

と新婦

「バイジョ~ビュ バイジョ~ビュ]

30分後

すっかり出来上がっちゃった新郎

司会者
司会者

お色直しの為

お二人退場です!

フラフラ歩く新郎と

目が笑っていない新婦が

扉口に消えていく

(30分後)

司会者
司会者

装いも新たに

新郎新婦入場です!

目が覚める様な

真紅のドレスを纏った新婦

とても素敵だ

さて 新郎は・・・

いや いや いや

 顔!

うつむき加減で目が虚ろ

司会者
司会者

それでは皆様後半も

ごゆっくりお過ごし下さい

そして後半もお祝いお酌は止まらない

恐る恐る新婦の顔を見ると・・

鬼!

それでも披露宴は進み

いよいよクライマックス

新郎からの謝辞(最後の挨拶)

こわい こわい

「ウゥ~ 本日は え~ ウゥ~」

「みなさ・・ ヒッ ウゥ~」

「・・・・・・・った」

えっ!

終わった?終わったのか?

パラパラとまばらな拍手

引きつっている顔の新婦

そして

新婦父の顔が怖い

司会者
司会者

ご両家 ご退場です!

新郎父に抱えられ歩く新郎

消えていく両家

消えそうな幸せ

その後そのカップルがどうなったのか

誰 も 知 ら な い・・

その日の披露宴は

11:00開演

式場スタッフは本番に向け

会場セッティングに余念がない

そして披露宴というものは

色々な人によって支えられている

ウエディングプランナー・会場責任者

コック・音響・配膳・お花屋・介添え人など

一つの披露宴を成功に導く為

スタッフ一丸になって尽力する

開 宴 1 時 間 前

そろそろ司会者が来る頃だ

通常司会者は1時間程前に来館して

ご両親やお二人に挨拶をした後

会場責任者・音響照明スタッフ達と

進行の最終打合せを行う

だが その日 司会者

来ない!

開 宴 30 分 前

来ん!

担当プランナーへ伝え連絡を取ってもらう

しばらくして

涙目のプランナーが走って来た

申し上げます

司会者

起きました

えー!

ざわゎ ざわゎ

開 宴 20 分 前

マズイ・・

とてもマズイ・・

私の心

どうする? ヤバいぞ・・

もし間に合わなければ

私か・・

いや無理だろ

でも・・

「えー本日は あーあー」

「お日柄も良く えー」

ない ない ない

10 分 前

プランナー

「どうします!」

「どうするも何も!」

「誰かポイ人いないかポイ人!」

「司会っポイって何ですか!」

「知るか!俺に聞くな💢」

5 分 前

「従業員で美声の奴いないのか!」

プランナー

「そういえば洗い場のおじさん

こないだ民謡大会で

特別賞を取ったって聞きました!」

却下!

1 分 前

若いプランナーは涙目

わたしは白目

そしてついに

開演の時間となってしまった

11:00

「取りあえずオープンしよう!」

「そしてゲストをゆっくり入れろ!」

スタッフ

「ゆっくり入れるて何ですか!」

「ゆっくりと言ったらゆっくりだ!」

「何言ってるかわかりません!」

「なんでもいい!」

「席に案内すると見せかけて」

「グルグル迷うとかぁーー!」

こうなったら正直に言うしかない

「司会が寝坊しました」

あ~無理だ言えない

お~神よあなたは何故

司会者を

起こしてくれなかったのですか・・

そんな事を考えたその時

「来ましたーーー!」

髪を振り乱し

寝起きノーメイクの司会者が

息絶え絶えに会場へと滑り込む

「申し訳ございませんー」

「謝罪は後!新郎新婦入場までは」

「まだ5分はある!」

「取りあえず 髪・顔ととのえて!」

そして

どーにかこーにか披露宴が始まった

大丈夫だったかというと

そこはプロである

なんとかお開きまで乗り切りました

そしてその後司会者は

この業界から

消えたかどうかは誰も知らない

披露宴の会場責任者は

新郎新婦が来館すると挨拶に行きます

その日も私は控室のブライズルームへと

担当としての挨拶に向かったのですが

ノックをし扉を開けて少しビクッとした

なぜか

それはウエディングドレスを着た新婦が

新婦が

タトゥーだらけ

ギョっとしながらも平静を装いご挨拶

タバコの煙を吐き出しながら

「ヨロシク~」 新婦

何事も無く無事終わればいいが・・・

そんな事を考えながらも

披露宴が始まる

若い・・

とても若い新郎新婦だ

そしてゲスト全般にヤンチャそう

両家の親族もガラが悪い

しかも皆 礼服なだけに

「どこの組の人ですか?」

と聞きそうになる

ハ ヤ ク オ ワ レ ・・

祈りにも近いそんな私の希望は

早々と打ち砕かれるのであった

昔の新郎の女事情を語り出した

新郎友人のスピーチでの悪ふざけ

ヤ メ テ ク レ

案の定 新婦の機嫌がみるみる悪くなる

そしてメインテーブル上にて

揉め始める二人

司会は困惑しながらも淡々と進める

そんな私の思いも空しく

さらに

ヒートアップ

そして会場に衝撃が走る!

なんと新婦が

ビールを

新郎の顔に

ぶっかけた

はい! オ ワ リ マ シ タ

これに怒ったのが新郎の兄

「何しとんじゃ!クソ女がっぁ」

これに怒ったのが新婦の弟

「何じゃその言い方はぁ こらぁ!」

「おもて出ろっ ボケがぁ!」

「上等じゃ! カスがぁ!」

司会は淡々と進める

メインテーブルでは新婦の怒声

会場後方では親族が言い合い

さらにつかみ合いもみ合い

ワッショイ!ワッショイ!

ここはいったいどこだ?

中世ヨーロッパを模したモダンな会場

煌めくシャンデリア

ゲストの元には本日の魚料理

「スズキのポワレ」

焦がしバターとアンチョビのソース

とても美味しそうだ

だが恐らくここは

地獄

そして

マリオのスマッシュブラザーズさながらの

大乱闘会場から ついに新婦が

群衆をかき分ける様に

大股で出て行ったのであった

 ワ タ・・

司会と担当が新郎と相談により

この時点を持ちまして披露宴

し ゅ う り ょ ー

ご祝儀を頂いている手前

料理は最後まで提供

引き出物も渡す

からの

無理やりのお開き

揉めながら会場を出る親族

笑っている友人

引きつるスタッフ

そして私のホテル勤務史上で

一番印象に残った披露宴が

幕を閉じたのでありました

数時間後

お見送りをしたプランナーより報告

「なんか二人」

「手を繋いで帰って行きましたよ」

だって

私は思った

「帰ってお風呂に漬かりたい」

そして

モウ スキニ シ テ ク ダ サ イ

そんなある日の出来事・・・

お付き合い有難うございました

~ししまいmk~




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ししまいmk

      関西在住
   大人男子ホテル勤務25年
    →Taxiドライバー★
   妻と娘4人の6人家族
   ホテルという業種を離れ
     家族の大切さ
    そして愛おしさを
      あらためて
    感じる日々である
     ではごゆるりと

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