皆さんこんにちは ししまいmkです
只今8月下旬
やっと子供達の2学期が始まり
通常運転
毎日
平和
かと思った矢先
長女のプチ非行が加速してまいりました
「少女は夏に覚醒する!」
頭を抱えながらスタートいたします
さて今回は
前回の「アフリカ史編」からの
part②
記事にしたかった本丸です
アフリカの闇の中のさらに闇
「コンゴ民主共和国」
そのコンゴの辿ってきた
暗く悲しい歴史
現在の問題を
少しでも皆様に知っていただきたく
ここにご紹介したいと思います
なお私は学者でもジャーナリストでもございません
もし認識不足、データの誤り等ございましたら
何卒ご容赦いただきますよう
お願い致します
それでは行ってみましょう
同じ星で起こっている事なんだよ
「コンゴ民主共和国」
まずはコンゴを知ろう
「コンゴ民主共和国」は
アフリカ中央部に位置し
国土面積は日本の約6.2倍
アフリカ第2位の国土面積を誇る
とても大きな国
以前は国名が「ザイール」という時期もありました
コンゴ民主共和国の北東には
同じ「コンゴ」とつく
「コンゴ共和国」がありますが
今回とりあげるのは
中央部の「コンゴ民主共和国」
以下「コンゴ」といたします
コンゴはアマゾンに次ぐ面積の熱帯雨林を有し
コンゴ川流域には広大なコンゴ盆地があります
国内には200以上の部族が存在しており
人口は約1億900万人
首都は「キンシャサ」
公用語はフランス語
またウガンダ・タンザニア・ザンビア
ルワンダなど9か国と隣接しています
そしてコンゴは世界屈指の豊富な天然資源を有し
コルタン・コバルト・銅・金・スズや
ダイヤモンド・ウラン・原油などが産出される
その中でのいわゆる「レアメタル」と呼ばれる
コルタンはスマホ・パソコンや
ゲーム機などのコンデンサーなどに使用され
コバルトはモバイル機器や
EV自動車のリチウムイオンバッテリー蓄電に
現代社会においては欠かせないレアメタルである
また世界の全生産量において
コルタン 約43%
コバルト 約68%
がコンゴから産出される
近年においてスマホやタブレットの普及
脱炭素化の風潮に伴い
電気自動車への
急激な産業のシフト変化などにより
それらに必要不可欠な
希少鉱物(レアメタル)の
需要が世界的に急拡大し
コンゴ国内・国外の様々な国や勢力が
利権を奪いあっている現状
その様な状況が原因の一つとなり
現在においても
最悪の貧困を脱却できないのは
多くのコンゴ国民である
そんなコンゴの物語・・
コンゴの歴史
コンゴは世界で最も貧困な国の一つであり
多くの国民の生活水準が
最下層であると言っても過言ではない
そんなコンゴを語る上で外してはならないのが
コンゴが辿ってきた悲しい歴史・・
15世紀コンゴには
「コンゴ王国」という国が存在し
その頃のコンゴは
ポルトガルとの交流が行われていました
(キリスト教の伝播・金や奴隷の交易など)
後にヨーロッパでは
「大航海時代」
が幕を開ける
アフリカ大陸や
アメリカ大陸・カリブ海の島々に
続々と西洋人が上陸し
現地人の制圧・土地の略奪が始まり
その後アフリカでは
黒人を奴隷にし
アメリカ大陸などに送り労働を強制させる
「黒人奴隷貿易」が数百年続く
この間コンゴから大西洋を渡った黒人奴隷は
約5百万人とされるらしい
後に黒人奴隷貿易は終焉を迎えるが
アフリカの悲運は終わらない
その後アフリカに降りかかるのが
「アフリカ植民地時代」
アフリカから遠く離れたベルリンの会議室で
ヨーロッパ各国の指導者が集まり
ペンと定規にてアフリカ大陸の地図の上に
アフリカ不在のまま
勝手に国境線を引いた
これによりアフリカが分割されたのである
分割されたそれぞれの国が
ヨーロッパ各国の植民地になった中
コンゴはベルギー国王「レオポルド二世」の
個人の私有地となり
過酷な強制労働が行われ
ノルマに達しない者、仕事が出来ない者は
容赦なく手足を切断された
この様なさまざまな残虐行為が
広大なジャングルという闇の中で
長年行われたのである
一人の人間の私有地である為
ベルギー国民の目も国の法も届かない
その地獄の様な状態が続いたコンゴは
他の植民地国よりも
凄惨極まる状態であったと言われる
この期間はコンゴにとって
黒人奴隷時代よりもさらにひどい
暗黒の時代であった
またレオポルド二世の統治下時代の
コンゴの死者数は
500万人~800万人と言われる
後にレオポルド二世の悪政が
世界に知れ渡るようになり世論を受け
ようやく政府が動き
コンゴは「ベルギー領コンゴ」となる
第二次世界大戦後
アフリカ全土に独立の機運が高まる中
1960年にコンゴ独立
国名を「コンゴ共和国」とする
長きに渡り
最悪の悪政から解放されたコンゴであったが
コンゴにはまだ平穏は訪れない・・
独立後わずか一週間で内乱が起きる
(ベルギー関与)
首相の暗殺やクーデターにより
アメリカの後押しをうけた
「モブツ・セセ・セコ」
が権力を掌握し国名を
「ザイール」とする
そしてお決まりの独裁政治
お決まりの再度クーデター
周辺諸国の介入
(第一次コンゴ戦争)
モブツ亡命
「ローラン・デジレ・カビラ」が
大統領就任
国名を「コンゴ民主共和国」とするが
またお決まりの独裁政治
お決まりのクーデター
周辺諸国も巻き込み
アフリカ大陸的に見ても大きな紛争となる
(第二次コンゴ戦争)
カビラ大統領暗殺
息子のジョゼフ・カビラが
大統領就任
しかし民主とは程遠い政治
2019年 チセケディ大統領就任
2023年現在に至ります
また第一次、第二次コンゴ戦争における
殺害・病・飢えなどでの死者数は
第二次世界大戦後としては最悪の
540万人と言われ
200万人以上の難民を生み出す
現在のコンゴは国土に眠る
豊富な天然資源の利権をめぐり
国内外の国や組織・企業・部族などの
争いが複雑に絡み合いあり
100を超える武装集団による暴力支配
略奪・性暴力や
武力衝突などが頻発している状態
政府自体も腐敗していると言っていいだろう
多くの国民は未だ
貧困に苦しんでいるのである
黒人奴隷貿易時代に強制連行された数
500万人以上
植民地時代の死者数
500万人~800万人
コンゴ戦争での死者数
540万人
現在の国外難民
120万人
現在の国内難民
520万人
現在も飢餓・病気・採掘事故・殺害などにより
毎日大勢のコンゴ国民が亡くなっている
数人規模の死亡では
現地でニュースにもならない
言葉も無いですね
ある学者は言う
コンゴはアフリカ史上
「最悪の植民地国」
であり
独立後は
「最悪の独立国」
であると・・
コンゴの現在
現在コンゴ国としての収入基盤は
国内から産出される豊富な天然資源
その中でも近年注目されているのが
希少鉱物(レアメタル)です
これは冒頭述べた様に先進国での
スマホ・タブレットやパソコンの普及や
電気自動車の市場拡大などを背景に
世界規模で希少鉱物(レアメタル)の需要が
飛躍的に増加している
今回はそのレアメタルの一つである
コバルトを例として取り上げたいと思います
コバルトはスマホやタブレット端末
電気自動車などの
リチウムイオンバッテリー蓄電に
欠かせない素材であり
その需要は2050年までに
5倍近く増加するとみられています
そのコバルト産出の多くは
コンゴ東部に集中し
有名なのは
南東部に位置する
都市コルウェジからザンビア北部に至る
銅山が集中する鉱山地帯
「コッパーベルト」
政府公認の採石工場の多くは
海外資本の管理化にあり
近年では中国の影響力が増しています
また公認採石場の労働者は
比較的設備の整った環境下にての労働であるが
それでも賃金は安い
それにも増して安価な稼ぎなのは
非公認な場所での
何十万人もの手掘り採掘者である
焼け付く大地を
簡素な道具で掘り進め
土埃が舞う穴の中に入り
コバルトを含むテへロゲン鉱を
ノミとハンマーでかち割って
地上へと引き上げる
それらをさらに細かく割り
麻袋に詰め近くの池へと運ぶ
赤く濁った悪臭の漂う池で
ザルを使って振るいにかけ
ある程度選別し再度麻袋に詰め
一袋30キロ~40キロの重さの袋を
仲買人のいる売り場まで歩いて運ぶ
直接集積場へは行けない
運ぶバイクが無い事と運ぶ許可が無いからだ
それらの理由から非公認採掘者は
直接マーケットへ接触出来ない
あるいはそう出来ない様なシステムを
誰かが作っているか
そして売値は完全に仲買人の言い値
まさに
過酷極まる重労働
その過酷な労働で一日中働き
一人1ドル少しの日銭を得るのである
穴が崩れ死亡事故が度々起こるが
それでも人々は手掘り採掘を止める気は無い
そして女も子供も働く
作業をする女性達は集団で固まり
身内でも他人でも関係なくグループを作る
そうしなければ性暴力の被害にあうからだ
この地域では兵士・役人・仲買人や
労働者・武装グループらによる性暴力が
激しく横行している
女性の3人に2人は
性被害にあっているという報告もある
あるコンゴ女性に聞くと
数回子供を流産しているが女性はその事を
「神に感謝している」という
こんな世界に生まれても幸せなど無いからだそうだ
また健康被害も深刻だ
コバルトは皮膚に触れたり吸い込んだりすると
人体に有害であり
大地を掘る度に削る度に
巻き上がる砂埃も呼吸器系にダメージを与える
だがここの人たちの心配事は
健康被害の心配でも無く
政治の事でも無く
待たなければ実らない
作物の事でも無い
心配するのはその日に稼ぐ数ドルであり
その金で買えるその日の食料である
最安値でも仲買人にその値段で売るしかない
そして石なら誰にでも掘れるのである
まさに搾取と貧困の悪循環
豊富な資源でも貧困
[Resource Curse]
と言う言葉をご存じでしょうか
これは「資源の呪い」という意味です
豊かさは必ずしも幸福ではない
というパラドックスです
なぜ世界有数の豊富な天然資源を持つ
コンゴ民主共和国が
なぜ世界に稀に見る貧困国なのか
なぜ貧困から抜け出せないのか
潤っているのは政府上層部や外資企業だけである
天然資源に依存し他の産業が成り立たない
この現状をコンゴ政府はどう思っているのだろうか
民主とはなんなのか
疑問と憤りのループである
国とは民なのですよ
「紛争鉱物」
「紛争鉱物」という問題が
アメリカやヨーロッパでは度々議題に上がる
これは
近年人権を無視した
劣悪な環境下で産出された鉱物を
先進国が求めるほど
それらが武装組織などの資金源となり
武力による紛争を長引かせ
いつまでたっても資源国の国民が
貧困から抜け出せない事例が発表されたため
欧米が数種類の希少鉱物に対して
「紛争鉱物」と指定し
関わる企業等に規制や
制限・報告などの義務を課しました
ですが抜け穴も多く
鉱物のロンダリングも横行し
そもそもアメリカやヨーロッパ以外の国では
まったく効力のない制度であり
ほとんど機能していないのが現状である
もし完全に機能したとして
それにより日々の生活費を失うのは
何十万・何百万の現地の手掘り労働者であり
本当に難しい問題であります
私達は無関係では無い
コンゴの貧困の理由は
様々な要因が複雑に絡まり合っています
政治腐敗や役人による搾取
社会基盤・経済基盤の脆弱さ
天然資源への過度な依存による
他の産業の衰退
気候変動
周辺国や諸外国からの関与
100を超える武装勢力による
略奪・暴力支配・性暴力などの被害
などなど
武装勢力に襲われた鉱床近く村では
村人は支配下に置かれ鉱物を搾取される
そして女性は性暴力をうけ
子供は兵士として強制的に連れていかれる
信じられますか?この発展した現代ですよ
日本に生まれ普通に生活をしていれば
到底想像も出来ない
過酷な現状がそこにはある
遠く離れた異国の話ですが
だがしかし
私達は無関係では無い
あなたが今これを見ているスマホにも
今私が打っているこのパソコンにも
コバルトは使われているのです
我々が豊かさを求める程に
どこかで涙が流れる
では我々はどうすべきか?
難し問題だがヒントの一つとして
「都市鉱山」の活用
「都市鉱山」とは
既に市場に出回っている
スマホやタブレットなどに
埋め込まれているレアメタルを呼ぶ
そしてそのレアメタルを取り出し
再構築するという発想
あるデータによると
日本中の現存する機器からコバルトを集めると
世界の埋蔵量の10%程にもなるらしい
何かここに糸口の一つが有る気がする
また我々に出来る大切な事の一つは
「正しい現状を知る事」
多くの貧困に苦しむコンゴの様な国や
紛争鉱物
豊かさの代償などの事を
たとえ何も出来なくても・・
焼けて赤錆びた大地
舞い上がる砂埃
子供を抱く少女
まっすぐ睨むように
見つめる先は
果てまで続く乾いた空
遠く離れたその空の下では
今日も子供たちが
タブレットで宿題をして
ゲームに盛り上がり
動画配信を見ながら
眠りにつくのである
世界は今 テクノロジーが飛躍的に向上
医療の進歩・多様な生き方など
文明社会において
とても成熟している様に感じますが
普段の平和な日本に住んでいては
決して見えない悲しい現状が
世界のどこかで
そう私達が笑ってテレビを見ながら
夕食を食べている今もなお起こっているのです
みなさんは今回のテーマ
どう感じましたでしょうか
知っていただけただけでも
意味と価値があるものと信じております
そして先進国に住む我々一人一人の
豊かさを求める行動が
遠く離れた異国の悲しい現実と
無関係では無い事を
私達は知っておかなければいけません
なぜなら
あなたが今
手にしているスマートフォン
その中にある8グラムのコバルト
そのコバルトから聞こえる声は
誰かの悲痛な
祈りかもしれないのだから
お付き合い有難うございました
~ししまいmk~
\ 一番の悪は無関心である /
コンゴという国 単行本 –2002・6・14 草場 安子(著)