【本当にあった珍客の話】 タクシードライバーのリアルエピソード「カンフーハイ」 珍走日記 12号車

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徐々に夏の兆しが訪れる6月の終わり

近年の地球温暖化により

6月というのに

最高気温が25度越えの日がちらほら

そんな少し汗ばむ陽気の中

住宅街を走行中

交差点にある郵便局の前で

ご婦人さんが手を挙げている

60歳前後だろうか

何だかオーラが暗い

仮にこのご婦人を

ヤツレ夫人とする

タクシーを横に着けドアを開けた

「ホント助かりました」

「家がすぐそこにあるのですが」

「持ってくる物があるので寄ってください」

とヤツレ夫人

ー 賃走 ー

案内された家は

郵便局から50メートル程

「すみません少し待っていて下さい」

と家へ入るヤツレ夫人

とても暗く憔悴している感じだ

待つこと3分

何か毛布に包まれた物を抱え

お戻りになる

小さなスーツケース程のそれは

毛布により中身が見えない

「あの~○○駅の南側へお願いします」

「はい わかりました」

走る事1分

んっ!

何だ!この臭いは!

なにか匂う 俺か?

バックミラーでヤツレ夫人を見ると

荷物を包んでいる毛布が乱れ

上の方から中身がのぞいていた

それは

え~と

何と言いますか

犬の頭

恐らく中型の柴犬の頭

「えっ!」

思わず声が出そうになった

恐る恐る再度見る

ぐたりとした頭部

その半開きの犬の口からは

長い舌が

ベロ~ン

と垂れ下がっている

これは・・・

シ ン デ イ ル

しかも匂う

最近の温かい気温の中

そのお犬さん

いつお亡くなりになったのですか?

愛おしそうに

抱きしめるヤツレ夫人

斜めぐったりの犬の頭

ダラリと垂れた舌

そして獣臭

「○○駅傍の動物火葬場へ行くんです」

とヤツレ夫人

「あ~そうなんですね」

ウインドウ・・・・・を開けながら答える

無事火葬場に到着

「ありがとうございました」

と赤く目を腫らした

ヤツレ夫人と舌ベロ~ン

料金を支払い降りる間際

犬の目が

パチリと開いた様に見えたのは

気のせいかもしれない

そんな6月の出来事・・

タクシーという仕事をしていると

しょっちゅう街中の工事現場に出くわす

工事には水道・電気・ガスや

マンション・新築戸建てなど

様々あるのですが

道路に面した場所での工事には

必ず交通誘導の人員が必要

そうあれ

○○警備会社みたいな制服を着て

ヘルメットをかぶり

赤く光る棒や

赤白の旗を振り振りしている

あの方達です

いつもご苦労様です

この話はある日に遭遇した

ある交通誘導員のお話

とある日の仕事中

こんな道路工事の現場がありました

そこはやや広めのT字路

信号無

誘導員一人

程々に交通量が多いこの交差点では

三方向からの車を

さばかなければならず

かなり難易度の高い現場だ

しかも一人

その誘導員はの旗を持ち

必死な様子で対応にあたっている

ちなみに

赤旗を横にすると

【止まれ】

白旗を振ると

【進め】である

その大変そうな様子は

数台後ろの私からでも

わかるほどワチャワチャしている

こっち【赤】止まれ

そっち【白】進め

振り向いて【赤】止まれ

90度向きを変え【白】進め

反転して【赤】

左は【白】

のけぞって【赤】

ノールックで【白】

【赤】【白】【赤】【白】

あっち こっち そっち どっち

目まぐるしく体を入れ替え

旗の動きも激しさを増す

そしてその時は訪れた!

ついにその誘導員は

誘導の向こう側へと

到達したのである

マラソンランナーが

一定のリズムで走り続け

ある時点を超えると

脳内ホルモンが分泌され

疲労や苦痛を消し去り気持ち良くなる

これを俗に

「ランナーズハイ」と言う

まさに

この誘導員はこの境地

振り回す旗も

ブルースリーが愛用する

ヌンチャクの様な美しさだ

まさに

「カンフーハイ」

そしてついに順番がキタ!

私の車が交差点に差し掛かる!

なんだかこっちまで

ドキドキして来た

さぁ私はどっちだ!

どっち

【赤】か!

【白】か!

【赤】か!

【白】か!

目の前に迫る誘導員

恍惚の表情

ハイの境地

そして遂にでた答えは!

【赤・白のクロスーー!】

おぉーーー!??

てか

ど っ ち か

わ か ら ん 

そんなある日の出来事

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ししまいmk

      関西在住
   大人男子ホテル勤務25年
    →Taxiドライバー★
   妻と娘4人の6人家族
   ホテルという業種を離れ
     家族の大切さ
    そして愛おしさを
      あらためて
    感じる日々である
     ではごゆるりと

一応 やってるよ
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