みなさんこんにちは
ししまいmkです
今回は日本の食文化で
昔から欠かす事のできない
主役級の脇役「お漬物」
その土地の風土や歴史を感じさせる
ジャパニーズソールフード
そのお漬物が危機であるというお話
それでは見ていきましょう
概要
2018年の6月 食品衛生法が改正された
施行は2021年から
これまでは各地方自治体ごとの
ルールに従って販売していた漬物ですが
この改正により全国一律で
食品衛生の国際基準(HACCP)に沿った
衛生管理を行い
営業許可を得なければならなくなった
そしてこの国際基準を満たす為には
追加の設備投資が必要になり
これにより小規模の漬物屋や
個人で細々と作り 道の駅などに卸していた
お爺ちゃん お婆ちゃんなどが続々と
「わしゃ~も~引退や~」
となっているらしい
また施行の2021年から
すぐに実行されたのでは無く
衛生環境等を整える時間の猶予として
3年の経過措置があり
実際に実行されるのは
2024年の6月から
なので2024年の5月末で
日本全国から
かなりの数のお漬物が
消えるという
改正のキッカケ
この食品衛生法の改正には
きっかけとなった事件がある
それは2012年8月
北海道で起こった白菜の浅漬けによる
集団食中毒事件
これにより高齢者施設の入所者を含む169人が
腸管出血性大腸菌O157に感染 8人が死亡
この事件がきっかけとなり
後の食品衛生法改正へと繋がる
何が変わったの?
食品衛生法の改正を受け
実際個人の生産者にとって何が困るのか
それは
設備投資
生産環境の変化
個人生産者の多くは自宅の台所や家の納屋
敷地内の小屋などで漬物を仕込んでいる
この何十年も慣れ親しんだ製造環境を
ガラリと変えてしまう様な
新しく義務付けられたルールはこちら
これらが国際基準に則ったルール
個人でこれらの設備の改装するとなると
かなりの金額を負担しなければなりません
また慣れ親しんだ製造環境が変わる事を
嫌がる高齢生産者も多くいます
どうする?おばあちゃん
地方の道の駅などで
漬物を提供している生産者は
日本全国的にみても高齢者が多く占める
昔ながらの「おばぁの味」というやつだ
道の駅が好きな人は
その個人が作る「おばぁの漬物」が大好き
とは言え
82歳のおばぁが多額のお金をかけ
設備投資をするのかとなると
中々厳しい現実があるのも事実
また今回のこの改正を引退のキッカケに考える
高齢の生産者も多いようだ
個性豊かな伝統の味が消える事は
消費者にとって
すごく悲しい事だが
やはり一番つらいのは
生産者のおばぁやおじぃである
時代と伝統の狭間で苦悶するおばぁ
さぁ どうする
食文化を守る
秋田県横手市といえば秋田を代表する
秋田の文化とも言われる漬物
「いぶりがっこ」の名産地である
今回の改正を受け
いぶりがっこの生産者達158人に対し
アンケートを実施したところ
「今後もワシャいぶりがっこ作るべ!」
と回答したのは
158人中なんとたった10人
元々超高齢化が進んでいた現状もありますが
それでも驚きの少なさである
そんな漬物存亡の危機を迎え
地域の伝統の味を守るべく
日本各地の自治体及びJAなどは
補助金やサポートに乗り出しています
これ以外にも沢山の自治体にて
なにかしらの支援やサポートが行われています
やはり日本人として
伝統や文化を守りたいという表れですね
ご当地漬物ご紹介
少し休憩
日本各地には沢山のご当地漬物があります
それぞれに歴史があり
その土地の気候風土に合わせ
昔から受け継がれてきた味
そんな日本の代表的なお漬物をご紹介
正直な思い
今回取り上げたテーマ
「漬物が消える」
ニュースやネットなどでは
「お婆ちゃん可哀そう」
「弱い者イジメ」
というイメージの記事が多い
確かに高齢の生産者の方々が
困っている絵面を見ると人として心が痛む
ですがよく考えてみて欲しい
お漬物商売というのは
食品を加工して売り
それが消費者の口に入る
れっきとした一食品加工事業である
日本にて食品を取り扱い商売をしている
全ての食品事業主には
添加物の表記・営業許可
食品衛生管理者の資格などなど
厳しい製造や販売に関するルールやが有り
これは
祭りの屋台やキッチンカーでも同様
私も以前のホテル勤務時代は
公衆衛生や食品衛生など
料理人ではなくても徹底していました
では何故そこまで厳しいのか?
それは
「人々の安全と健康を守る為」
個人の漬物生産者などは
「昔からの製法」と「小規模」いう形態から
例外的に免除されていた部分が多いですが
やはり「食の安全」は大切であり
今回の衛生法の改正 それ自体は
ごく真っ当である
しかも3年間もの猶予も与えている
問題を総合的に考えると
他の食品ルールと同じになっただけで
改正になった法律自体が悪では無い
超高齢化が進む生産者の内
これを機に引退という人がいるが
それはそれで一つのキッカケである
問題は
まだ意欲と体力が有るのに
資金面などで悩む生産者だ
やはりそれには地方自治体などの行政や
JAなどのバックアップが絶対的必要であり
そしてそれらを動かすのは
伝統を守る生産者ではなく
伝統を守りたいという大勢の
消費者の声
もし本当に
「あばぁの味」を守りたいのなら
改正法を悪く攻めるのでは無く
おばぁを憐れむのでも無く
署名活動や資金提供のお願いなど
他人任せにしないで
まずはアクションを起こす事
「残念です」を言う前に
出来る事は沢山あるはずだから
お付き合い有難うございました
~ししまいmk~